イベント実施報告

第4回東京グローバル・ダイアログ

  • twitter
  • Facebook

2月20日

『戦略年次報告2022』に関するラウンドテーブル

『戦略年次報告2022』の紹介に続き、現在の国際情勢及び国際秩序について、大局的観点から議論された。また、安全保障政策を転換した日本への評価や期待も表明された。

国際社会の分断が進んで対立的な様相が深まり、「ポスト冷戦」と呼ばれた時代が終わりを迎えていることについては、出席者の間で概ね意見の一致があった。一方、「ポスト冷戦」期がいつどのように終わったのか、また、現在をどのように特徴づけるかについては様々な意見が表明された。現在の国際情勢を「新たな冷戦」あるいは「ブロック化」と表現することに対しては、現在の西側と中ロの関係は冷戦期の米ソ関係とは異なる、あるいは、グローバル・サウスの多くの国々はいずれのブロックにも属さないなどの指摘が行われ、総じて否定的な見解が示された。

ロシアのウクライナ侵略については、欧州の安全保障に与えた衝撃や、戦争が米中関係に与える影響が強調された。一方、グローバル・サウスからはウクライナ戦争は欧州内の争いと見られており、西側の立場への支持を得ることは容易でないとの指摘もあった。米中・日中関係については、台湾を巡る危機の可能性やこれを抑止するための努力の重要性に言及された。危機を防ぐための中国との対話の重要性も強調されたが、そのためには中国が環境を整備する必要があるとの指摘もあった。

日本がより積極的な安全保障政策を採用し防衛能力強化に取組むことへの歓迎、米国のインド太平洋地域へのコミットメント維持やASEAN等の地域諸国の立場への理解について日本が果たす積極的な役割への評価が表明された。

一覧に戻る