イベント実施報告

第4回東京グローバル・ダイアログ

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2月21日

【パート1】米中競争とインド太平洋:(1) 政治・安全保障

インド太平洋地域において激化する米中競争について、米中関係と地域の安全保障の将来、地域諸国の見方について活発に議論された。

米中競争については、多面的かつ構造的な競争であるとして、競争の長期化は避けられないとの見方が共有された。また、米中間の政治的対話や人的交流が減少していることや、パンデミックや気候変動、朝鮮半島の非核化など米中が協力できる分野が縮小している点に懸念が示された。

ロシアのウクライナ侵略がインド太平洋地域の国々の安全保障戦略に大きな影響を与え、地域の安全保障状況に不確実性が増しているという指摘もあった。ロシアのウクライナ侵略は国際規範や国際法に反しているという意見が共有されたが、米国が提唱する民主主義体制と権威主義体制による体制間競争という図式を政治的にも経済的にも多様なインド太平洋地域に当てはめることに否定的な見解も述べられた。

日本については、昨年末の国家安全保障戦略の改訂による安全保障政策の大きな転換が、地域の平和と安定に寄与するとして好意的に受け止められ、この地域が必要としている多層的な協力に対する日本の役割への期待が述べられた。さらに、日米間の強固な連携によって、日本がグローバル・パワーである米国をインド太平洋地域に結び付ける役割を担っているとの指摘もあった。他方、歴史問題に関連して、日本の安全保障政策には近隣諸国へのきめ細やかな配慮が求められるという意見も表明された。

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