イベント実施報告

第4回東京グローバル・ダイアログ

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2月21日

【パート1】米中競争とインド太平洋:特別セッション 日本周辺の海洋安全保障

中国がロシアと西太平洋での軍事的協力を深め、2022年8月には中国が台湾周辺の海上封鎖演習を行ったことをうけて、台湾海峡情勢の評価および日米台の連携のあり方を中心に議論が行われた。

台湾海峡の平和と安全が中国の軍事的な威嚇によって脅かされている中、日本が国家安全保障戦略および関連文書を改定し、防衛費の増額や反撃能力の導入などを通じて地域の安全保障に大きく貢献できるようになることが高く評価された。米国及び台湾に比べ、日台の安全保障協力は発展途上にあるが、情報共有を早急に始めることの重要性が指摘された。米国が台湾防衛に関する戦略的曖昧性を放棄するべきかについては、意見が分かれた。

韓国やインドなどと協力を拡大する必要性についても議論がなされた。台湾有事の際、韓国には北朝鮮による軍事侵攻を抑止することが求められるが、平時から海上交通路の安全確保でさらに協力をする必要性が指摘された。インドは中印国境紛争を抱えているため、台湾問題には慎重な姿勢をみせているが、台湾との経済関係は深いため、やはり重要なパートナーになり得るという評価がなされた。

東シナ海や南シナ海で中国海警局や海上民兵によるグレーゾーン事態が続いていることに関しては、被害を受けている側が監視能力を高め、地域内で中国による主権侵害の実情を共有することの必要性が指摘された。

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