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二国間あるいは多国間の貿易(物品やサービス)について、関税や非関税障壁の撤廃を定めた協定。

この協定はGATT(関税と貿易に関する一般協定)第24条及びGATS(サービス貿易に関する一般協定、下記参照)第5条にて規定されており、2002年6月末時点で、130以上のスキームがGATT/WTOに通報されている。この他に、途上国間のFTAには、WTOの「授権条項(enabling clause、1979年GATT決定)」に基づいたものがあり、GATT第24条の厳格な要件は適用されない。

FTAや関税同盟などの地域貿易協定は、1958年の欧州経済共同体(EEC)など1960年代に第一次ブームとも言うべき設立が世界各地で相次いだが、多角的貿易体制を推進する米国の消極的態度により70年代にはその多くが有名無実化した。

しかし90年代に入り、92年のマーストリヒト条約締結、94年の北米自由貿易協定(NAFTA)発足に加え、途上国間でも、メルコスール(南米南部共同市場:91年)、SADC(南部アフリカ共同体:92年)の設立、改組されるなど、第二次部ブームが起きている。これは、遅々として進展しないGATTプロセスへの不満を反映した米国の政策転換、また80年代からのグローバル化プロセスの進展に対する途上国の恐怖などが背景となっている。

日本はシンガポールとの間でFTA及び投資協定を結んでおり(2002年1月署名)、現在メキシコ、韓国との間の協定が検討されている。また、ASEAN+3の枠組みで東アジアにおける自由貿易・投資地域が構想されている。

かつて欧州連合の動きを「要塞化(Fortress Europe)」と表現するなどFTAを含む地域統合の拡大は、地域のブロック化に繋がるとの懸念がある。その一方、域内の貿易自由化の徹底は、WTOの目標である世界的な貿易自由化に向けたステップと捉える考え方が近年では広まっている。


*GATT第24条
GATT24条はFTAなどの地域貿易協定に一定の要件を課している。これはその第1条で規定されている「最恵国待遇」(無差別原則)と、FTAのような特恵的な貿易協定との整合性を確保するものである。サービス貿易については、GATS第5条で同様に規定されている。
GATT24条はFTAの要件として、 (1) 構成国間の「実質上全ての」貿易について関税等を廃止すること、及び (2)FTAメンバー以外の国に対する関税等を引き上げないことを規定する。(1)については、確立した定義はないが、FTA内の貿易量の概ね90%以上を無税とすること、特定分野を一括除外しないことが最低限必要と一般的に理解されている。同時に、「妥当な期間(通常10年以内とされる)」内での関税等の段階的撤廃を認めている。
(アジア太平洋研究センター研究員 渡邉松男

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