イベント実施報告

第2回東京グローバル・ダイアログ

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2月25日

戦略年次報告2020に関するラウンドテーブル

戦略年次報告2020に関するラウンドテーブルにおいては、米中間の対立・戦略的競争の激化と、これがインド太平洋地域に及ぼす影響を中心に議論が進んだ。米中対立の要因については、中国の自然な発展を阻もうとする米の態度に主な根源を見出す1名のパネリストと、中国の経済的・軍事的拡張とこれに伴う強硬政策に主な原因を見出す他の登壇者との間で意見が分かれた。

バイデン米新政権が対中強硬姿勢を継続するとみられることを前提として、米中関係は緊張が継続し、さらに悪化するとの見通しも述べられた。複数のパネリストが、気候変動等グローバルイシューでの米中協力の可能性に言及しつつも、これが米中関係全体に及ぼすポジティブな影響は限られるとの見通しを示した。また、別のパネリストは、企業の観点から、ルールメイキングを含む国際的な市場での米中競争の影響について議論した。

米中関係の性格につき、これを構造とプロセスの両面から検討すべきとの見方や、これは「競争」というより「対立」であり、中国経済が米に追いつき追い越す今後20年間の対立激化を予想する見方、また、思想的な対立の側面を重視すべきとの見方などが示された。欧州のパネリストからは、欧州諸国におけるインド太平洋地域への関心の高まりを背景に、欧州諸国を含む民主主義国間のさらなる協調の重要性も指摘された。

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