イベント実施報告

第2回東京グローバル・ダイアログ

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2月26日

分科会 II-1: ロシアの視点

「ロシアの視点」セッションでは、インド太平洋地域における昨今のパワーバランスの変容をロシアがどのように見ているのかという大テーマの下、プーチン政権によって打ち出されているロシアの「東方シフト」の現状の評価、米中ロ間の戦略的バランスの中長期的展望、バイデン新政権のインド太平洋政策とそれが日ロ関係に及ぼす影響、などについて議論が進められた。

インド太平洋地域のパワーバランスの変容については、ロシアはインドの台頭に注意を払っており、日本や米国の進めるFOIPを中ロの封じ込め政策であると反発するロシアは、インドとの関係強化を通じて自らの大ユーラシア構想を推し進め、これに対抗しようとしているとの見解があった。ロシアの「東方シフト」については、アメリカの対中・対ロ封じ込め政策の影響もあり、中国との戦略的関係が緊密化するも、日本やASEAN諸国との多面的な関係の構築は道半ばとなっているとの指摘があった。

その他、米中ロ間の戦略的バランスの展望については、中国も巻き込んだ軍備管理システムが必要だが、その実現は困難であろうとの指摘があった。また、日ロ関係については、米ロの対立が続くなかでは北方領土問題の解決は厳しいが、北極海航路やエネルギーの開発プロジェクト、温暖化対策など日本が実利を得られるような面では協力を進めてゆくべきだとの提言があった。

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