イベント実施報告

第3回東京グローバル・ダイアログ

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3月2日

戦略年次報告2021に関するラウンドテーブル

インド太平洋地域において激化する米中競争について、価値、技術、安全保障分野の角度から検討され、ウクライナ情勢についても活発に議論された。

米中競争については、中国の力の伸長にいかに対応するかとの観点から、米国とその同盟国による抑止力の強化や、経済安全保障分野での欧州を含む民主主義陣営の連携強化の重要性などが強調された。これに対し、中国の台頭を受け入れ、ミドルパワーの連合も含むインド太平洋地域の多極化を受け入れるべきとの主張もあった。米中関係はかつての冷戦とは異なる同一システムの中での競争であり、価値の重要性は二義的であり、経済的遮断は一部にとどまるとして、共存と協力のあり方を模索すべきという見解も述べられた。

ロシアのウクライナ侵略は、欧州の安全保障認識の劇的な変化や西側の団結をもたらし、国際秩序にとって根本的な転換点となるとの指摘がなされた。外交による解決の重要性を強調する意見もあった。最も基本的な国際規範への明白な挑戦により、民主主義の価値を共有する国・地域が国際秩序の擁護のために連携を深めることが一層重要になるといった議論や、国連安全保障理事会改革の議論が加速されるべきとの見解も示された。

日本については、その安全保障政策について鍵となる年であり、米国との連携を一層深め、日本が米国をインド太平洋地域に結び付けるアンカーとなるべきとの指摘があった。一方、日本が米国に追従することへの注意や、広い視点から日本独自の外交を追求すべきとの見解も示された。

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