イベント実施報告

第3回東京グローバル・ダイアログ

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3月3日

激化する米中競争(1):価値と技術

米中の戦略的競争の現状と課題、展望について、価値観や統治モデル、先端技術のサプライチェーンや戦略的資源の確保など、政治・経済的な側面を中心に議論が展開された。

米中間のパワー・バランスの縮小が近年の戦略的競争を巡る大きな要因の一つであるという認識は登壇者に共通しており、今後さらに先鋭化していくことは避けられないと指摘された。デジタル技術やデータの分野での優位の重要性も議論された。米中の戦略的競争はパワー・バランスの変化が主たる要因で、価値やイデオロギーの側面を誇張することは不要に対立の激化を招くとの指摘がなされたが、対立は両国間の政治体制やイデオロギーの違いからも生じているとの反論もあった。米中間の対話の重要性についての指摘もあった。

ロシアのウクライナ侵略が米中間の戦略的競争に与える影響については、権威主義的な大国による民主主義の小国への軍事侵攻により、権威主義的な政治体制に対する国際社会の疑念や懸念が高まり、民主主義国の結束の強化と国際社会の政治的な分断が進むと予想された一方、安全保障面を重視すべきとの見解も示された。ロシアへの経済制裁が中国国内、中露及び日中関係に与える影響も議論された。民主主義国が権威主義国に技術や資源の分野で過度に依存する危険性を踏まえたデカップリングの動きも指摘された。

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