イベント実施報告

第3回東京グローバル・ダイアログ

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3月3日

国際社会の対応(1):海洋

米中競争がインド太平洋地域に及ぼす影響と対応につき議論された。

中国による既成秩序への挑戦を強調する見方、米中対立構造の中でバランスをとることの必要性と困難、米中による実質的なブロック化がASEAN中心性を損なう可能性、域内各国が多様な価値観を持つこと、地域情勢は米中関係のみにより規定されるのではないことなど、様々な見方が示された。その中でルールに基づく秩序、海洋安全保障、サプライチェーンの確保などの経済安全保障を確保することの重要性が強調された一方、共通の利益に基づく個別の協力の蓄積や、多様なステークホルダーを内包した域内にある経済分野を含む様々な枠組みを通じた協力の推進の必要性も指摘された。将来の地域秩序については、域内各国が主導することを重視する意見も出されたが、安定的な秩序と「自由で開かれたインド太平洋」にとって米国のエンゲージメントを維持することの重要性が指摘された。

ロシアによるウクライナ侵略については、ロシア対西側の地政学的対立の激化が中国と西側の関係を含む世界秩序に与える影響、多民族国家への悪影響に対する憂慮、ハードパワーの重要性、独裁体制が持つ意思決定の問題はインド太平洋地域にもつながるとの指摘の一方で、国際法に反する軍事行動は今回のみではないとの指摘や、欧州各国を結びつけた基本的な「価値」をインド太平洋地域に期待しうるか、との問題提起も行われた。

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