イベント実施報告

第3回東京グローバル・ダイアログ

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3月3日

国際社会の対応(3):多国間の対応

新型コロナ・ウイルス対応や気候変動、SDGsの実現、ロシアのウクライナ侵略を受けたエネルギー情勢への対応等、グローバルな課題について議論が進められた。

コロナ禍に関しては、先進国と途上国の不均衡が深刻化していることが指摘された。コロナ禍による経済損失は13兆ドルとみられ、先進国は経済回復しつつある一方で、途上国では新たに2億人が貧困に陥ると予想されること、ワクチン配布については先進国では3回目の接種が進むが、途上国ではワクチンは十分に行き届いていないこと、途上国の債務持続性、物流の停滞等による国際貿易の分断を背景に、コロナ禍からの回復において途上国は置き去りにされているとの指摘があった。アジア太平洋地域は多様性に富み、気候変動、自然災害、高齢化など様々な課題にも直面しているが、金融危機やコロナ禍に対して比較的うまく対応してきたと評価された。

ロシアのウクライナ侵略を受けた人道的状況や、根本から覆されている国際秩序をどのように回復し多国間主義を強化するかの問題も提起された。エネルギー情勢に関し、ロシアのウクライナ侵略を受けてIEAによる石油備蓄放出が決定されたが、気候変動への対応を含め、持続可能なエネルギー資源の供給確保、エネルギー安全保障が国際社会の共通課題として浮上しており、長期的な投資を要するエネルギー供給には安定が重要であることを踏まえ、原子力・核政策を含め各国による政策の再検討が求められると指摘された。COVAXを通じた協力強化、債務や気候変動に関する途上国に対する財政支援、カーボンプライシングに関する多国間枠組みの重要性が強調された。アジア太平洋地域では、具体的な共通のイシューや基盤を見つけ回復力のある包摂的な多国間体制構築に取り組むことが有効であると述べられた。グローバルなリーダーシップの必要性、多国間主義にチャンスを与えることの重要性が強調された。

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