コラム

竹島を日本領と記載する1953 年、1954 年の米国政府作製の航空図について

2020-10-23
舩杉力修(島根大学法文学部准教授)
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令和2(2020)年10月23日

公益財団法人日本国際問題研究所

日本国際問題研究所では、領土・主権・歴史の分野において、調査研究及び対外発信事業を実施するため、平成29(2017)年に「領土・歴史センター」を設置しました。同センターでは、①我が国の領土・主権・歴史に関する国内外の資料の収集・整理・対外発信等、②同分野に関する国内外での公開シンポジウムの実施、及び③同分野に関する調査研究の実施等の事業を展開しています。

平成30(2018)年2 月からは、古地図での竹島の記載状況を明らかにするため、国内の図書館、公文書館、国土地理院、海上保安庁海洋情報部を中心に、歴史地理学及び地図史の観点から、竹島関係の古地図の調査を、舩杉力修(ふなすぎりきのぶ)・島根大学法文学部准教授に依頼して実施しています。令和元(2019)年度からは、新たに外国製の公的地図の調査に着手しました。令和元(2019)年度は、米国国立公文書館において、第二次世界大戦後の航空図を中心に、米国政府作製の地図について、民間調査会社に委託して実施しました。その結果、米国国立公文書館において、竹島を日本領と記載する、1953 年及び1954 年の米国政府作製の航空図2 点を発見しました。これらの航空図は、竹島が我が国の領土であることが確認された、1951 年9 月調印、1952 年4 月発効のサンフランシスコ平和条約の内容を反映していると考えられます。その概略は別紙の通りです。別紙については、調査者の個人的見解であり、日本国際問題研究所の見解を代表するものではありません。


<別紙>

 執筆者 舩杉力修・島根大学法文学部准教授(歴史地理学)

 別紙1  調査成果の概要

 別紙2  USAF JET NAVIGATION CHART,JN-25,YELLOW SEA,09-54,1st EDITION
(米国空軍・ジェット機用航空図、JN-25、黄海、1954 年9 月、第1 版)

 別紙3  USAF JET NAVIGATION CHART,JN-25,YELLOW SEA,09-54,1st EDITION
[拡大図]

 別紙4  USAF JET NAVIGATION CHART,JN-25,YELLOW SEA,09-54,1st EDITION
[凡例]

 別紙5  USAF PILOTAGE CHART,379DG,TO DONG,JAPAN-KOREA,12-53,1st EDITION Revised
(米国空軍航空図、379DG、道洞、日本-韓国、1953 年12 月、第1 版改訂)

 別紙6  [参考]U.S. ARMY AIR FORCE LONG RANGE AIR NAVIGATION CHART,LR-17,YELLOW SEA,10-50,7st EDITION Revised
(米国陸軍航空軍長距離航空図、LR-17、黄海、1950 年10 月、第7 版改訂)

 別紙7  [参考]U.S. ARMY AIR FORCE LONG RANGE AIR NAVIGATION CHART,LR-17,YELLOW SEA,10-50,7st EDITION Revised
[拡大図]

 別紙8  [参考]AAF AERONAUTICAL CHART,379DG,TO DONG,CENTRAL JAPAN,3-51,1st EDITION
(米国陸軍航空軍航空図、379DG、道洞、中央日本、1951 年3 月、第1 版)