東アジア史研究会の小林聡明委員(日本大学法学部教授)による「解説/論稿 1960年代後半におけるアメリカの対北朝鮮心理戦――『真理作戦』を中心に」を所収した書籍が刊行されました。
小林委員の論稿は、2018年に米国国立公文書館で機密解除された米陸軍参謀部の文書を用いて、1960年代後半にアメリカが北朝鮮に対して行った心理戦の様相を描きだしたものです。現在も朝鮮半島では、様々なアクターによる心理戦が活発に行われていますが、厚いベールに覆われ、今なお不明な点が多々残されています。
同論稿は、1960年代後半というごく短い期間における米軍の対北心理戦を分析した歴史実証論文です。しかし、それは現在も続く朝鮮半島における心理戦を考えるうえで歴史的な文脈から重要な手がかりを提供する、きわめて現代的な意義も有しています。
同論稿は、領土・歴史センター事業の海外資料調査の成果が反映されたものです。ぜひご覧ください。
書籍詳細(出版社HP):『山本武利著作集 メディア・宣伝・諜報の社会史:第七巻 米国の対日工作』文生書院、2025年7月所収、ISBN9784892536632(https://www.bunsei.co.jp/yamamoto_collection_of_works/)