第7回東京グローバル・ダイアログ セッション2 戦略流動化時代における戦域横断協力の強化

セッション2『戦略的流動化時代における戦域横断協力の強化』
本セッションでは、ウクライナ戦争の長期化、中国によるロシア支援、ロシア・北朝鮮間の軍事協力、米国の関与をめぐる不確実性を背景に、インド太平洋や欧州の安全保障課題が相互に連関を強める中、戦域横断的な協力の在り方について議論が行われました。
現状の安全保障環境については、ハイブリッド戦などの段階からの対処・抑止が重要となってきていること、米中首脳会談や欧州首脳訪中などを経て大国間のダイナミクスは一見安定しているが足元では中国のグレーゾーンの行為が拡大しており、これが主要課題であること、中国・ロシア・北朝鮮が協力を深める中、インド太平洋は米国の関与なくしては対処できないが、欧州も米国の関与があるからこそ安全保障面での統合対処が可能であることから、米国の関与の確保が重要であることなどが指摘されました。
ASEAN域内では脅威認識が必ずしも共有されておらず、包摂性を重視するASEANとしては、欧州各国による個別の関与や法の支配・航行の自由を支持する取組は歓迎する一方、NATOとしての関与には慎重な立場であることも説明されました。
日本は、日米同盟を基盤としつつ豪州、フィリピン、東南アジア諸国と安全保障協力を強化して地域の安全保障ネットワークのハブとなるとともに欧州とも連携を強化、NATOもその一環であることにも指摘がありました。
欧州とインド太平洋の安全保障の連関については、中国が双方の地域でプレイヤーとなっていることやグレーゾーン対応のみでなく、ともに米国を同盟国としていることから課題を共有している点にも言及があり、抑止力や危機対応能力を高める必要性、米国の防衛産業基盤の強化のためにも連携する必要があることも指摘されました。
本セッションの議論全体を通じて、戦域間の協力とは一つの安全保障圏を形成することではなく、それぞれの地域の戦略環境や脅威認識を尊重しながら、防衛産業、先端技術、重要鉱物、サイバー、ハイブリッド脅威対策などの分野で実務的な協力を深化させることが現実的かつ有効であるとの認識が共有されました。
