第7回東京グローバル・ダイアログ セッション5 FOIP10周年:次の10年を構想する

セッション5 FOIP10周年:次の10年を構想する
本セッションでは、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想の10年間を振り返るとともに、本年5月に高市総理が発表した「進化したFOIP」を踏まえ、次の10年に向けたFOIPの方向性について議論が行われました。議論を通じ、FOIPが日本発の重要な外交構想として国際社会に広く浸透し、自由、開放性、法の支配、包摂性といった理念を共有する枠組みとして発展してきたことを確認されました。
地政学的競争の激化、経済的相互依存の武器化、サプライチェーンの脆弱性、AIをはじめとする新興技術の急速な発展、エネルギー・食料・重要鉱物の安全保障等、国際環境が大きく変化する中、FOIPも戦略的なビジョンから、より実践的な協力枠組みへと進化し、目に見える成果を積み重ねることが重要であるとの認識が共有されました。具体的には、各国の強靱性や自助能力の向上、経済安全保障の強化、AI・データ時代に対応したデジタル・インフラ整備、エネルギー・資源の安定供給、海洋安全保障協力等、実際的な分野における協力を一層強化していくことの重要性が指摘されました。
また、FOIPとインド太平洋に関するASEANアウトルック (AOIP)との相互補完性およびASEAN中心性は、FOIPの地域的な正統性と実効性を高める上で不可欠であるとの認識が共有され、ASEAN各国の多様なニーズを踏まえた実践的な協力を進める必要性が強調されました。さらに、インドの存在感の高まり、日米豪印(QUAD)による実務的協力、ASEAN諸国の主体的な役割が、FOIPの次の10年を支える重要な要素として位置付けられました。
米国については、国内政治の変動による一定の不確実性はあるものの、同盟協力、投資、技術協力、防衛協力などの実態面ではインド太平洋への関与は引き続き強固であるとの見方が示されました。
