国際シンポジウム「第二次世界大戦後の日米関係を構築する」をボストンで開催しました

国際シンポジウム「第二次世界大戦後の日米関係を構築する」をボストンで開催しました

2026年2月6日にハーバード大学(Havard University)ウェザーヘッド国際問題研究所(Weatherhead Center for International Affairs)およびエドウィン・O・ライシャワー日本研究所(Edwin O. Reischauer Institute of Japanese Studies)との共催で、国際シンポジウム「第二次世界大戦後の日米関係を構築する(Building US-Japan Relations after the Second World War: Eight Decades of Security, Trade, and Trust)」を同大学にて開催しました。同大学との共催したシンポジウムは2018年以来となります。

戦前から戦後にかけての日本の国家形成を、安全保障、経済外交、官僚制度、民主主義の歴史という複数の観点から再検討することを目的として開催されました。各報告はいずれも、日本の戦後体制を断絶としてではなく、歴史的連続性の中で理解すべきであるとの視座を共有していた点に特徴があります。

シンポジウム登壇者
(左上から時計回りに五百旗頭氏、楠氏、村井氏、井上氏)

五百旗頭薫・東京大学教授の報告では、日本を「極東の島国」という地政学的視点から捉え、「源泉への遡行」という戦略概念を提示されました。軍事力の基盤となる産業・財政・人的資源を重視する歴史的戦略と、そのリスクおよび戦後への継承について論じられました。

井上正也・慶應大学教授の報告では、戦後日本の「通商国家」形成を、外務省と通産省の制度的競合と協調の過程から分析されました。通商政策が外交と不可分に発展した点を強調し、国際経済秩序との連動を示されました。

楠綾子・国際日本文化研究センター教授の報告では、1950年代前半の日米関係を、経済と安全保障の相互依存という観点から再検討されました。自立を目指しつつも米国支援に依存せざるを得なかった構造的ジレンマを明らかにされました。

村井良太・駒沢大学教授の報告では、ライシャワー夫妻の生涯を通じ、日本民主主義の歴史的連続性を論じられました。戦後民主主義を占領による付与ではなく、戦前からの内在的発展の延長として位置づけられました。

また、ハーバード大学からはスーザン・ファー(Susan Pharr)教授が司会を務められ、アンドルー・ゴードン(Andrew Gordon)教授およびクリスティーナ・デイビス(Christina Davis)教授がコメンテーターを務められました。ゴードン教授とデイビス教授からは各登壇者の報告内容の完成度の高さに賛辞が送られ、それぞれの報告について具体的な質問が提起されました。

当日は会場が満席となるほどの盛況であり、ハーバード大学をはじめとする現地研究者・学生との間で活発な質疑応答と意見交換が行われました。また、本シンポジウムには多様な出席者にご参加いただきました。高橋誠一郎ボストン総領事からは冒頭にご挨拶を賜るなど、現地公館からも厚いご支援をいただきました。現地の日本協会(Japan Society)を通じてボストン在住の日本人の方々にも多数ご来場いただき、学術関係者のみならず、実務家、在外邦人コミュニティーを含む幅広い層にご参加いただく機会となりました。その結果、本シンポジウムは日米関係をめぐる歴史的・学術的議論にとどまらず、地域社会に根差した対話の場としても大きな意義を有するものとなりました。

〈登壇したハーバード側研究者〉

  • スーザン・ファー(Susan Pharr)教授
  • アンドルー・ゴードン(Andrew Gordon)教授
  • クリスティーナ・デイビス(Christina Davis)教授

〈当研究所出席者〉

  • 高地雅夫 領土・歴史センター長
  • 玉水玲央 研究員
  • 大谷壮生 研究員