日本国際問題研究所は2026年3月6日、NATO、ノルウェー大使館、ルーマニア大使館と共催で、ラドミラ・シェケリンスカNATO事務次長を招いたイベントを開催しました。事務次長は、ロシアのウクライナ侵攻やイランの不安定化行動、さらに北朝鮮や中国によるロシア支援により国際安全保障環境が一層厳しさと複雑さを増す中、NATOと日本の協力が深化していると強調しました。また、同盟国は抑止力と防衛生産を強化するため、防衛支出の大幅な増額(GDP比5%を目標)にコミットしていると述べました。さらに、日本を含むインド太平洋パートナーとの協力はNATOの拡大ではなく、サイバー、宇宙、サプライチェーン安全保障、イノベーション、ウクライナ支援などの分野で価値観を共有する民主主義国が連携する取り組みであり、日本は重要な貢献国であると指摘しました。日本国際問題研究所佐々江賢一郎理事長が司会を務め、秋山信将軍縮・科学技術センター所長と小谷哲男研究主幹が登壇者を務めたパネル討論では、日本の国内政治やNATOのインド太平洋関与拡大に対する米国内の懐疑論を踏まえ、日本がどこまで防衛費を増額しNATOの構想と歩調を合わせられるのかが議論されました。また、中東危機への対応やロシア・中国・北朝鮮・イランの連携への対処、さらに抑止力・レジリエンス・防衛産業協力を強化しつつ、軍備管理やリスク低減といった長期的目標をどのように両立させるかも論点となり、活発な意見交換が行われました。
