JIIAグローバル・アウトリーチ・センター(CGO)は、2026年7月9日、ジャカルタにおいて、東アジア・ASEAN経済研究センター(ERIA)と共催で、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)10周年記念シンポジウム」を開催しました。

本シンポジウムは、高市早苗総理大臣が5月2日にベトナムで「進化した自由で開かれたインド太平洋構想(Updated FOIP)」を発表してからわずか2か月後という、極めて時宜を得たタイミングで開催されました。地域各国から第一線の専門家が一堂に会し、活発なパネルディスカッションと質疑応答が行われ、地政学的な環境が大きく変化する中で地域協力を一層強化することへの高い関心が示されました。

シンポジウムは、カオ・キム・ホンASEAN事務総長による基調講演で始まりました。同事務総長は、ASEANの「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」と日本の「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」が、開放性、包摂性、法の支配、そして平和という共通の理念を共有していることを強調し、両構想は今後さらに連携を深める大きな可能性を有しているとの認識を示しました。

続いて行われたパネル・ディスカッションでは、先ず外務省の宮本新吾南部アジア部長が冒頭発言を行い、高市総理が発表した「進化したFOIP」構想について説明するとともに、日本とASEANが信頼で結ばれたパートナーとして、より強靱で繁栄したインド太平洋の実現に向けて連携して取り組む重要性を強調しました。また、FOIPとAOIPの間の連携が進展しており、実践的な協力の機会がますます広がっていることを指摘しました。

パネル・ディスカッションには、宮本新吾部長に加えて、FOIPとAOIPの形成や発展のために重要な役割を果たしてきた以下の専門家が登壇し、JIIAグローバル・アウトリーチ・センター(CGO)の山田滝雄所長がモデレーターを務めました。

  • シスウォ・プラモノ大使(インドネシア共和国駐オーストラリア・バヌアツ大使)
  • チェアン・ヴァナリット博士(カンボジア国民議会副事務総長)
  • マリア・モニカ・ウィハルジャ博士(ISEASユソフ・イシャク研究所 フェロー兼メディア・テクノロジー・ソサエティープログラム共同コーディネーター)

議論では、FOIPとAOIPの成立の背景と発展の過程を振り返るとともに、インド太平洋地域が直面する複雑な戦略的課題に対処するため、両構想が如何に連携し、地域の強靱性を高め、共通の繁栄を促進すべきかについて幅広い議論が行われました。また、FOIPの次の10年においては、FOIPの基本理念を確認し合うだけではなく、それをASEANその他の地域パートナー諸国間の具体的な協力に結び付け、目に見える成果をあげることが重要との点で参加者の認識が一致しました。シンポジウムでは、開放的で、強靱で、繁栄するインド太平洋の実現に向けた基盤として、FOIPとAOIPの相乗効果(シナジー)を一層強化していくことの重要性が改めて確認されました。

シンポジウムのアジェンダおよびプログラム(英文)

カオ・キム・ホン事務総長基調講演(英文)