国問研戦略コメント

戦略年次報告2022
第4章 危機に直面する国際協力

2023-02-16
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ウクライナ戦争及び米中対立激化の中でロシアと中国は結束を強め、西側諸国との間で、民主主義対権威主義の対峙あるいは「新たな冷戦」とも呼ばれる世界のブロック化をもたらしつつある。世界が分断する中、様々な国際協力の枠組みは深刻な危機に直面している。国連安保理は、ウクライナ侵略に関するロシアの拒否権行使により機能不全を露呈し、北朝鮮のミサイル発射を巡っても対応できなかった。

核を巡っては、プーチン大統領による威嚇を受けて核兵器使用の可能性への懸念が高まる中、米露間の交渉はとん挫し、核兵器禁止条約の初の締約国会合とNPT運用検討会議が開催されたが、NPT運用検討会議ではロシアの反対により最終文書が採択できなかった。ウクライナ戦争が国際経済や環境問題にも大きな影を落とす中、G20及びAPEC首脳会議やWTO閣僚会議、COP27では何とか合意が達成されたが、国際的な政策協調には課題が残り、多国間協力の枠組みの将来は不透明さを増している。