国際問題ウェビナー ご案内
『国際問題』発行から概ね1か月後を目途に、執筆者によるウェビナーを開催いたします。
特集全体を踏まえた執筆者間の議論をウェビナーで開催することにより、執筆時よりアップデートされた情報を提供でき、 読者の方々にとっても研究の一助・理解の深まりにつなげていただける機会となっております。
イベントの概要
国際問題ウェビナー「分断化する世界と途上国の外交」を論じる
開催日 : 2023年9月19日(火) 14:00-15:15
申込締切: 2023年9月18日(月)
会場 : オンラインZoom
恒川惠市・東京大学名誉教授・政策研究大学院大学名誉教授(モデレーター)
(巻頭エッセイ 変化する国際秩序におけるグローバル・サウスと日本)
高木佑輔・政策研究大学院大学准教授
(新興国フィリピンの外交:対米関係の強化、地域外交の深化と国際主義外交の展開)
子安昭子・上智大学教授
(ブラジルの多方位外交:国益重視と多極世界のビジョンで挑むルーラ大統領)
白戸圭一・立命館大学教授
(大国間競争の中のアフリカと日本外交:ロシア、中国のアフリカ政策から考える)
近藤重人・日本エネルギー経済研究所中東研究センター主任研究員
(大国間競争を利用するサウジアラビア:2022年2月のウクライナ侵攻以降の対米中ロ外交)
宇山智彦・北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授
(多方面外交を維持・拡大する中央アジア:分断ではなく競存を求める中小国)
9月の『国際問題』ウェビナーでは、「分断化する世界と途上国の外交」をテーマとする『国際問題』誌2023年8月号の著者が、それぞれの考察を踏まえて、執筆時以降の最新の動きや他の執筆者の分析との関連を含めて議論し、特集テーマをさらに深く掘り下げます。同号の主な論点は以下のとおりです。
「自由主義的国際主義」以外に選択肢を持たない日本は、欧米先進国に「国家主義的自国主義」的な行動を自制するように働きかけ、同時にグローバル・サウスの国々の経済発展に寄与することで、「国家主義的自国主義」の拡大を防がなければならない。マルコス新政権の外交は、対米関係の強化、米国のインド太平洋における同盟体制の変容に対応する多角化、そして、必ずしもASEAN外交に収斂しない形で進む近隣東南アジア諸国との関係の深化を実現しつつある。ルーラ政権は、1・2期目で行った積極的な大統領外交を復活させ、ブラジルを国際社会の主役に復活させる決意で、多極世界の実現を目指す。アフリカには中露寄りの国もあり、為政者たちは大国間競争に巻き込まれることを拒否する姿勢を示しているが、民衆の間では自由と民主主義を希求する声が強く、日本外交にとっての希望である。日本はサウジアラビアの行動に単独で影響を与えるのは困難だが、米国や西欧諸国と連携し、また同国と緊密に政策を調整することで、その行動や情勢認識に一定の影響を与えることは可能だろう。中央アジアにおける欧米との関係改善や独自外交を行うトルコとの親和性は、同地域を巡る国際関係が分断ではなく競存に向かっていることを示しており、日本も中央アジア諸国との外交を再び活発化させる必要がある。
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