国問研戦略コメント(2026-17) MATCH法と「挟撃の経済安全保障」-対中半導体輸出管理の立法化と日本への政策的試練-
髙山嘉顕(日本国際問題研究所研究員)

「国問研戦略コメント」は、日本国際問題研究所の研究員等が執筆し、国際情勢上重要な案件について、コメントや政策と関連付けた分析をわかりやすくタイムリーに発信することを目的としています。
はじめに
2026年4月、米国の下院と上院の両院で、「ハードウェア技術管理の多国間連携法(Multilateral Alignment of Technology Controls on Hardware Act: MATCH法)」の各案が提出された1 。同法案は、米国が対中輸出管理の対象としている半導体の製造装置と部品について、同盟国やパートナーも同等の規制を導入しなければ、米国が外国産品に対して域外管轄権を拡大し、事実上の一方的規制を課すと定めるものである。
筆者は既に発表した『国問研戦略コメント』(2026年5月)において、米中間の経済制裁と対抗措置の応酬が第三国を巻き込み、競合しうる経済圏・制度圏への帰属を迫る「踏み絵」の構造を生み出しており、日本を含む第三国が「挟撃の経済安全保障」を追求せざるを得ない状況が生まれていると論じていた2 。本稿はMATCH法を具体的事例として取り上げ、小論が提起した「挟撃の経済安全保障」論の射程を検討するとともに、この事例に内在する固有の課題を明らかにし、日本が直面する政策的課題を考察することを目的とする。
1.MATCH法の概要と立法背景
MATCH法は、共和党のマイケル・バウムガートナー(Michael Baumgartner)下院議員を中心に提出された超党派法案であり、半導体分野における対中輸出管理の多国間協調を制度化することを目的としている。法案の主眼は、半導体製造装置および関連部品に対する輸出管理の実効性を同盟国やパートナーとの連携を通じて強化する点にある。
そのため同法案は、政府に対し、規制対象とすべき半導体製造装置や製造施設を特定するよう指示するとともに、施行後直ちに外交交渉を開始し、同盟国およびパートナーに対して米国と同等の輸出管理措置の導入を働きかけることを行政府に求めている。具体的には、まず、半導体製造装置に関する輸出管理制度を整備し、懸念国に所在するあらゆる最終使用者への販売・提供を原則として規制対象とすることが求められている。ここで懸念国とは事実上、中国を指す。
また、同法案は中芯国际集成电路制造有限公司 (中芯国际、Semiconductor Manufacturing International Corporation: SMIC)、YMTC長江存储科技有限责任公司(長江存储、Yangtze Memory Technologies Corp: YMTC)、長鑫存儲技術(ChangXin Memory Technologies: CXMT)、華為(Huawei)、華虹半導体(Hua Hong Semiconductor)の関連施設を「対象施設(covered facilities)」として指定し、これらの施設に対する該当品(applicable items)の輸出およびサービス提供について、輸出許可の取得を求めている3 。現在、オランダのASMLや東京エレクトロンの技術者は、中国国内の顧客に納入された半導体製造装置に対して保守・運用支援を目的とするフィールドサービスを提供している。しかし、本措置が導入された場合、こうした技術支援サービスの提供は規制対象下に置かれることとなる。
さらに同法案は、同盟国およびパートナーに対し、原則として施行後150日以内に米国と同等の効果を有する規制の導入を求める。期限内に十分な規制措置が講じられない場合、米国は外国直接製品ルール(Foreign Direct Product Rule: FDPR)を適用し、当該国で製造された製品に対しても米国の輸出管理管轄権を及ぼすこととしている。FDPRは、米国の技術やソフトウェアを利用して外国で製造された製品にも米国の輸出管理規制(Export Administration Regulations: EAR)を適用する仕組みであり、これまでも華為(Huawei)向け規制や対ロシア制裁で活用されてきた。MATCH法は、交渉上の梃子としてのFDPRの発動を法的に担保することでその行使の信頼性を高め、同盟国やパートナーに対して規制の整合化を促す制度的メカニズムを構築しようとするものである。半導体製造装置の部門ではオランダのASMLや日本の東京エレクトロンが大きな世界シェアを持ち、中国向け輸出やサービス提供も一部継続していることから、これら両国による輸出管理体制の同調が念頭にあると言ってよい。
法案の立法背景には、米国政府による対中半導体製造装置輸出管理を同盟国やパートナーが十分に同調してこなかったとの理解がある。議会内でMATCH法を推進する立場からは「中国は半導体製造装置や部品に対する米国および同盟国の輸出管理における抜け穴や不均衡を悪用し、数千億ドル相当の最先端装置を購入している。半導体製造装置は、オランダから中国への輸出で第1位、日本から中国への輸出で第2位、米国から中国への輸出で第3位を占めている。MATCH法は、こうした抜け穴の多くを塞ぎ、供給の蛇口を閉ざすだろう。これは、半導体製造、製造装置、AIの分野において、米国と同盟国が長期的にリーダーシップを維持するために講じることができる最も重要な措置の一つである」と主張されている4 。
確かにこれまでも米国政府は日本などに対して半導体製造装置の対中輸出を制限するよう求めてきた。しかし、この法案の重要な特徴は、同盟国やパートナーによる規則の整合化を推進するために米国による一方的な域外管轄権を法定化しようとしていることにある。これまで当該措置は主として行政府による政策運用の一環として実施されてきたが、法制化によってその執行基盤が強化され、政権の政策選好や外交交渉の帰趨に左右されにくい制度的枠組みが構築される。このことは、このような制度化が措置の安定性と予見可能性を高める一方、行政当局による裁量的・機動的な運用の余地を縮小させる可能性が内包されていることをも意味している。
2.MATCH法と制度的挟撃-「踏み絵」の構造-
対中半導体輸出管理の多国間協調は、これまで概して、米国が先行し同盟国やパートナーが追従することで累進的に形成されてきた。2022年10月のバイデン政権による包括的な対中半導体輸出管理措置の導入を起点として、日本およびオランダは2023年にそれぞれ関連規制を整備し、段階的に米国との整合化を進めた。このような規制協調は、外交交渉を通じて段階的かつ累進的に形成されてきたものである。しかし第二次トランプ政権下において、この方針の一貫性が崩れてきている。同政権は2025年5月にバイデン期のAI拡散ルール(AI Diffusion Rule)を撤廃し、同年4月にいったん禁輸に踏み切ったNVIDIA製H20半導体については7〜8月に輸出禁止を解除、さらに同年12月にはH200半導体の対中輸出を条件付きで解禁するなど、規制の強化と緩和を短期間のうちに繰り返した。これはバイデン政権以来の対中半導体輸出管理の引き締め路線からの実質的な転換を意味している。
さらに、第二次トランプ政権は輸出管理措置を外交交渉上の取引材料として位置づけることを公然と示している。輸出管理の問題を貿易ディールの一部として再定義している節があるのだ。例えば2025年3月18日に商務省産業安全保障局(Bureau of Industry and Security: BIS)が開催した第18回「Update Conference on Export Controls and Policy」に登壇したハワード・ラトニック(Howard Lutnick)商務長官は、より多くの米国の貿易相手国に対し、米国が課しているものと同様の輸出許可規則を導入するよう説得したいと述べ、政権は「それらの貿易協定に輸出管理条項を盛り込むよう試みる」と語ったのである5。ラトニック商務長官は貿易ディールを駆使することを明かしていたのである。このことは米国が同盟国やパートナーに対して規制協調を求める場合において、その要求水準や適用範囲が当該国との外交交渉の結果に左右される可能性を示唆している6 。
これに対し、MATCH法は、規制導入の期限とFDPRの拡大適用という強制メカニズムを法定化することによって、外交交渉における梃子としての輸出管理規則の域外適用に信頼性(credibility)を付与しようとするものである。換言すれば、同法は対中半導体輸出管理をめぐる国際協調を、行政府の裁量的判断に委ねられた外交交渉の領域から切り離し、立法府が行政府の政策運営に対して一定の拘束を課す法的枠組みへと移行させる試みとして位置付けることができる。その結果、米国行政府による外交・経済安全保障政策の運用上の柔軟性が一定程度制約されるとともに、同盟国やパートナーの経済安全保障政策における自律性にも影響を及ぼす可能性がある。
既に述べたようにMATCH法が成立した場合、日本やオランダなどの同盟国やパートナーが原則150日以内に米国と同等の輸出管理措置を導入しなければ、米国はFDPRを拡大適用し、これらの国で製造された半導体製造装置に対しても一方的に管轄権を行使する可能性がある。この場合、日本の半導体製造装置メーカーは米国の規則に従えば中国市場へのアクセスを一定程度制限される可能性がある。他方、これらの企業が米国規則を順守せずに中国市場への製品輸出やサービス提供を継続すれば、米国市場や米ドル決済を含む金融システムから排除される可能性がある。すなわち、日本企業は競合する経済圏の狭間に置かれ、いずれかの経済圏への依拠を迫られる「挟撃的状況」に直面し得る。
しかしながら、問題は経済圏の選択にとどまらない。より重要なのは、企業が相互に競合する制度圏の間で選択を迫られる可能性が高まっている点である。このことは、中国政府が近年、域外適用措置に対抗するための法制度を段階的に整備・強化していることからも明らかである。とりわけ、2021年に施行された「阻断外国法律与措施不当域外适用办法(Rules on Counteracting Unjustified Extra-territorial Application of Foreign Legislation and Other Measures)」、いわゆるブロッキング規則は、その象徴的な事例である。同規則の下で、中国政府がMATCH法を含む米国の輸出管理制度への遵守を「外国法令への不当な服従」と認定した場合、米国規制に従った日本企業は中国国内において法的責任を問われる可能性が生じる。
実際、中国政府は2026年5月、米国が対イラン制裁の一環として中国の石油精製業者を制裁対象に追加したことへの対抗措置として、同ブロッキング規則を本格的に履行した。これにより、米国を含む外国政府の制裁措置によって利益を侵害された中国の個人または組織は、当該制裁措置に従った個人や企業を中国の裁判所に提訴することが可能となった。換言すれば、米国の規制を遵守する行為が、中国法上は法的責任を伴う違反行為として評価され得る状況が現実化したのである7 。
さらに中国政府は、こうした対抗措置の制度的基盤を一層強化しようとしている。2026年6月に上海で開催された陸家嘴フォーラムにおいて、何立峰国務院副総理は、今後制定される金融関連法令にブロッキング措置および対抗措置に関する規定を盛り込み、中国が不適切とみなす域外制裁に対抗するための法的手段を拡充する方針を示していた。同氏は、商務部が2026年5月に発動したブロッキング規則に言及するとともに、中国企業に対する一方的制裁や「ロングアーム管轄(long-arm jurisdiction)」への対抗を強化する必要性を強調したのである。さらに、中国の金融法制度における「ツールボックス」を拡充し、今後も類似のブロッキング措置や対抗措置を追加していく考えを明らかにしている8 。
このように、中国政府は既存のブロッキング規則を本格的に運用するのみならず、新たな法制度にも同種の措置を組み込むことで、米国主導の対中経済措置に第三国が追随することを抑止しようとしている。したがって、MATCH法が成立した場合、米国による域外適用措置の強化と中国による対抗措置の拡充が還流し、第三国の政府および企業に対して相反する制度的要請への対応を迫る構造が一層顕在化する可能性がある。言い換えれば、米中間の措置の応酬は、半導体分野において第三国に対する新たな「踏み絵」の構造を生み出し得るのである。
すでに中国政府は米議会の動きに対して反発する姿勢を見せている。4月に法案が提出されて以来、中国政府は同法案が成立した場合に対抗措置を発動する可能性を明らかにしている。中国商務部報道官は「関連法案が成立した場合、国際的な経済・貿易秩序を著しく損なうことになる」、中国は「中国企業の合法的かつ正当な権益を断固として守るため、断固として必要な措置を講じる」と述べたと報道されている9 。
3.追随から形成へ―MATCH法と日本の経済安全保障政策-
第二次トランプ政権の対中半導体輸出管理政策は、運用面において一定の揺らぎを示しており、また同盟国やパートナーに対して規制整合を強制的に要求するか否かも現時点では必ずしも明確ではない。その一方で、米国議会では行政府の政策運営とは一定程度独立した形で、対中輸出管理の強化と多国間的な規制協調を法的に担保しようとする動きがみられる。MATCH法はその代表例である。したがって、MATCH法の背後に存在する立法的圧力は、日本の政策担当者にとって無視し得ない対外的制約として機能する可能性がある。とりわけ、米中間の戦略的競争が経済圏のみならず制度圏の競合へと発展するなか、日本は相反しうる制度的要請への対応を迫られる「挟撃的状況」に置かれつつある。その意味で、MATCH法をめぐる議論は単なる輸出管理制度の問題にとどまらず、日本の経済安全保障政策の自律性と適応能力を改めて問い直すものとして位置付けることができる。
「挟撃の経済安全保障」を追求する日本にとって、第一の政策課題は規制整合の受動的追随から能動的形成への転換であろう。MATCH法の150日条項は、日本が従来どおり米国の規制強化後に順次同調するという従来のやり方では、規制の主導権を失うどころか、FDPRによる域外適用措置の対象となる可能性があることを意味している。日本政府は、米国政府や米国議会関係者との協議を通して、輸出管理政策の具体的内容、例外措置、運用方針、進捗管理の設計に関与する必要がある。日米両政府が構築してきた輸出管理の政策対話チャンネルをさらに活性化させることが求められる。WTOを含む国際通商ルールとの整合性の観点から域外適用措置の見直しの追求も検討されよう。
第二の課題は、国内産業への損失補填と競争力維持の仕組みの整備である。MATCH法相当の規制を日本が導入した場合、東京エレクトロン、ニコン、キヤノン等の日本の半導体製造装置メーカーが中国市場向けの売上を失う事態は避けられない。挟撃的状況下で生じる企業損失を補填する貿易保険制度などの整備が実務的な選択肢として浮上する。また、日本企業が中国市場を失った分を代替市場で回収できるよう、市場の多角化も想定される。半導体製造装置の対中輸出管理措置の修正や更新は、友好国やパートナー向けの半導体製造装置の輸出促進策と一体的に設計することが重要である。
第三の課題は「踏み絵」の構造に対する法制度的耐性の構築である。中国がブロッキング規則を本格運用し、米国の対中輸出規制への協力を法的に禁じる方向に踏み込んできた場合、日本企業は米中双方の法規制の狭間で法的責任を問われるリスクに直面する。競合する法的義務の履行が困難な場合に契約履行停止を認める条項の標準化は、個別企業が自衛的に対応するための実務的手法として有用である。
第四の課題は、多国間輸出管理協調の制度的基盤の再構築である。MATCH法が多国間協調の履行に法的期限と強制メカニズムを導入しようとしている背景には、既存の輸出管理レジームが急速な技術変化と国際政治環境の変動に十分対応できていないという問題が存在する。ワッセナー・アレンジメント(WA)は依然として主要なデュアルユース輸出管理の枠組みであるものの、ロシアによるウクライナ侵略以降、その合意形成能力は著しく低下している。MATCH法は、この機能不全を補完するための一つの制度的試みとして理解することができる。そうであるならば、WAを代替あるいは補完する新たな輸出管理協調メカニズムの構築についても検討する必要がある。
もっとも、米国における立法化を契機として経済措置の応酬が想定されるなか、「挟撃の経済安全保障」を確保することは容易ではない 。MATCH法をめぐる問題が特異であるのは、当該措置が行政府による行政措置ではなく、立法措置として制度化されようとしている点にある。既に述べたように、立法府が行政府から独立した形で制度化した規制は、行政当局による政策運用上の裁量と柔軟性を低下させる可能性がある。その結果、日本政府が米大統領府や商務省等との外交交渉を通じて一定の調整を図ったとしても、法定化された域外適用措置の発動や適用を回避できる保証はない。言い換えれば、従来のような外交交渉による問題解決の余地そのものが縮小する可能性があるのである。したがって、日本に求められるのは、米国との政策調整を継続しつつも、それだけに依存しない対応能力を確保することである。すなわち、米中競争が一層激化し、経済措置の応酬が制度的に固定化される事態も視野に入れながら、企業・政府双方が制度的リスクへの適応力と柔軟性を高めるための準備を進める必要がある。
おわりに
米中間で発動された経済制裁や対抗措置は、域外適用を通じて第三国を巻き込みながら還流し、第三国の政府や企業に対して相反する制度遵守を求める構造を生み出しつつある。MATCH法もまた、FDPRを通じて米国の輸出管理規制を域外適用することで、同盟国やパートナーの経済安全保障政策の自律性に影響を及ぼす可能性を示している。そしてまた中国もこうした米国の動向に反発し、ブロッキング規則を含む対抗措置の整備と強化を図ることを明言している。こうした展開は、「経済相互依存の武器化」が二国間関係にとどまらず、第三国を巻き込む形で還流し、相反する制度的要請を突き付ける「踏み絵」の構造を形成しつつあることを示唆している。MATCH法をめぐる議論は、そのような構造が半導体製造装置分野においても顕在化しつつあることを示す事例として位置付けることができよう。
このような状況の下で、日本に求められるのは、安全保障政策、経済政策および法制度を横断的に捉えながら、競合する制度圏から発せられる相反する制度遵守の要請に対応するための政策的能力を構築することである。すなわち、「挟撃の経済安全保障」の時代においては、競争する大国間の制度的摩擦が生み出す制約の下で、相反する制度遵守の要請を能動的に乗りこなすことが求められよう。
確かに、MATCH法が最終的に成立するか否か、また成立した場合に日本が実際にFDPRの適用対象となるかについては、本稿執筆時点においてなお不確実性が大きい。2026年5月の米中首脳会談以降も、米国の対中輸出管理政策の方向性や同盟国やパートナーに対する具体的なアプローチは依然として流動的な状況にある。しかしながら、行政府の方針に一定の揺らぎがみられる一方で、議会レベルでは輸出管理の強化と制度化を志向する動きが顕在化している。したがって、日本の政策担当者はMATCH法の立法動向を注視するとともに、その成立の有無にかかわらず、制度的挟撃の深化を想定した対応策の検討と準備を進める必要がある。
(了)
(※本稿執筆後に、バウムガートナー下院議員等の下院議員7名からなる超党派グループは、2027会計年度国防授権法(FY 2027 National Defense Authorization Act: NDAA)に対する修正案を提出した。この修正案は、4月に下院外交委員会が可決した「MATCH法」と同じ内容である。)
- 下院外交委員会は2026年4月22日、36対8の採決により、修正されたH.R. 8170を本会議に付託することを決定している。U.S. Congress. (2026), Multilateral Alignment of Technology Controls on Hardware Act (H. R. 8170), <https://www.congress.gov/bill/119th-congress/house-bill/8170/text#H0CDDB8E9EAF84DABB5AAE617628A2064>; and U.S. Congress. (2026), Multilateral Alignment of Technology Controls on Hardware (MATCH) Act (S. 4281), <https://www.congress.gov/bill/119th-congress/senate-bill/4281/text>.
- 髙山嘉顕「挟撃の経済安全保障-還流する『経済相互依存の武器化』と『踏み絵』への備え―」『国問研戦略コメント』(2026年5月22日)<https://www.jiia.or.jp/jpn/report/2026/05/strategic_comment_2026-15.html>。
-
Karen Freifeld, “U.S. Lawmakers Scale Back Bill Targeting Chinese Chipmaking,” Reuters, Apr. 16, 2026.
- Risch, Ricketts, Kim Introduce MATCH Act; Level the Global Playing Field for U.S. Tech, United States Senate Committee on Foreign Relations, Apr. 8, 2026, <https://www.foreign.senate.gov/press/rep/release/risch-ricketts-kim-introduce-match-act-level-the-global-playing-field-for-us-tech>.
- The Bureau of Industry and Security, The Update Conference on Export Controls and Policy, March 18-20, 2025, Washington, DC, <https://www.bis.gov/update-conference-2025>.
- 実際トランプ政権は輸出管理政策の共同歩調国を拡大する際に貿易ディールを活用している。2025年10月にトランプ政権は、マレーシア、タイ、カンボジア、ベトナムから、輸出管理、投資規制、およびその他の経済安全保障に関連する貿易措置について協力するとの確約をすでに得ているか、まもなく得る予定であると発表した。米政府は2025年10月26日、各国との相互貿易協定に関する共同声明を発表し、各国政府が輸出管理の回避問題に対処し、投資の安全保障について協力することを約束していることを明らかにした。米政府は、タイおよびベトナムとの貿易協定を「今後数週間」のうちに「最終決定」する計画である旨を明らかにし、マレーシアおよびカンボジアとの間で合意されたとされる2つの相互貿易協定を公表したのである。これらの相互貿易協定には、米国政府によるEntity List(EL)およびSpecially Designed Nationals List(SDNリスト)の規制措置の執行を支援するという約束を含め、各国のより詳細な輸出管理および制裁関連の約束が盛り込まれていた。米政府は「この2つの協定に基づき、米国の輸出品の広範な分野において関税が撤廃または大幅に引き下げられ、非関税障壁が解消され、米国製品の市場アクセスが拡大されることになる」とディールの成果を強調していた。The White House, President Trump Opens Asia Trip by Securing Landmark Wins for America, Oct. 27, 2026, <https://www.whitehouse.gov/releases/2025/10/president-trump-opens-asia-trip-by-securing-landmark-wins-for-america/>; Agreement Between the United States of America and Malaysia on Reciprocal Trade, The White House, Oct. 26, 2025, <https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/2025/10/agreement-between-the-united-states-of-america-and-malaysia-on-reciprocal-trade/>; and Agreement Between the United States of America and the Kingdom of Cambodia on Reciprocal Trade, The White House, Oct. 26, 2025, <https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/2025/10/agreement-between-the-united-states-of-america-and-the-kingdom-of-cambodia-on-reciprocal-trade/>.
- 髙山嘉顕「挟撃の経済安全保障-還流する『経済相互依存の武器化』と『踏み絵』への備え―」『国問研戦略コメント』(2026年5月22日)<https://www.jiia.or.jp/jpn/report/2026/05/strategic_comment_2026-15.html>。
- Sylvia Ma, “China Vows New Legal Shield That Could Counter US Sanctions and Protect Finance,” South China Morning Post, Jun. 17, 2026; and “China Vows to Improve Anti-Sanctions Measures in Financial Law,” Bloomberg, Jun. 17, 2026, <https://www.bloomberg.com/news/articles/2026-06-17/china-s-finance-chiefs-take-center-stage-with-economy-slumping>.
- Karen Freifeld and Laurie Chen, “China Criticizes US Chip Equipment Bill in Run-up To Beijing Talks,” Reuters, May 13, 2026.
- 競争する大国の狭間に置かれたミドルパワーの対応について、マイケル・ベッカリー(Michael Beckley)は、支持するシステムの選択が不可避であると論じている。すなわち、ミドルパワーは一方の大国から安全保障上の利益を享受しながら、他方の大国から経済的利益を得続けることは困難であり、課題は選択そのものを回避することではなく、いかに自律性を維持しつつ依拠すべきパトロンを選択するかにあるという。そのうえでベッカリーは、選択した超大国との間で政策調整を行うことの重要性を指摘している。この議論に従えば、日本にとっては中国ではなく、米国との間で輸出管理の規制水準や運用方針について緊密な調整を行うことが重要な政策課題となる。Michael Beckley, “The Middle Power Delusion: Not Choosing Is Not an Option,” Foreign Affairs, May 25, 2026, <https://www.foreignaffairs.com/united-states/middle-power-delusion>.