研究レポート

戦略文書策定後の日米防衛協力

2023-03-29
森聡(慶應義塾大学教授)
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「日米同盟」研究会 FY2022-3号

「研究レポート」は、日本国際問題研究所に設置された研究会参加者により執筆され、研究会での発表内容や時事問題等について、タイムリーに発信するものです。「研究レポート」は、執筆者の見解を表明したものです。

米国は2022年10月に、日本は同年12月に国家安全保障戦略と国家防衛戦略をはじめとする一連の戦略文書を発出した。2023年1月11日に日米安全保障協議委員会(2+2)を、その2日後には日米首脳会談を開催して、日米同盟がインド太平洋地域の「平和、安全及び繁栄の礎」であり続けること、また「それぞれの国家安全保障戦略及び国家防衛戦略の公表を歓迎し、両者のビジョン、優先事項及び目標がかつてないほど整合していること」を確認した。特に2+2では、戦略文書に適合した当面の日米防衛協力に関する取り組みが確認された。日米防衛協力の指針(ガイドライン)を改定する方針は打ち出されなかったが、これは日本と米国がそれぞれ新たな戦略を打ち出したため、日米の役割や任務を当初から枠にはめるのではなく、日米双方の新たな取り組みに基づいて喫緊の諸課題に関する協議や各種作業を進め、その中で最適な役割と任務の割り当てを検討していくべきとの判断があるとみられる。

以下、日米の総論的な状況認識を見た上で、<作戦・運用構想と指揮・統制・情報>、<能力>、<戦力態勢>の分野1における日米間の主な防衛協力の取り組みを概観した上で、中長期的に日米の役割分担がいかに変化していく可能性があるのかを検討する。

状況認識

日米両国が2+2共同発表で示した取り組みは多岐にわたり、それらは中国、北朝鮮、ロシアを念頭に置いたものであるが、日米双方の戦略文書で明確にされた通り、やはり最大の焦点は中国である。日米両国の外務・防衛閣僚は、「中国の外交政策は自らの利益のために国際秩序を作り変えることを目指しており、伸張する同国の政治力、経済力、軍事力及び技術力をその目的のために用いようとしているとの見解で一致した。この行動は、同盟及び国際社会全体にとっての深刻な懸念であり、インド太平洋地域及び国際社会全体における最大の戦略的挑戦である」との総論的な認識の一致を謳っている。

2+2共同発表では、中国による東シナ海における力による一方的な現状変更の試みや、南シナ海における中国の不法な海洋権益に関する主張、埋立地形の軍事化及び威嚇的で挑発的な活動に対する反対を表明し、日本周辺水域への弾道ミサイル発射といった危険かつ挑発的な軍事活動を非難した。また、2+2共同発表では明示されていないが、日米の防衛当局はかねてから中国のミサイル戦力や核戦力の増強が軍事バランスにもたらす悪影響を強く懸念しており、ロシアによるウクライナ侵略は、いわゆる台湾有事に関する危機感を一層強めた。日本の国家安全保障戦略において、ロシアによるウクライナ侵略と「同様の深刻な事態が、将来、インド太平洋地域、とりわけ東アジアにおいて発生する可能性は排除されない」としたのは、こうした危機感の表れであろう。

主な取り組み

上記のような状況認識の下で、日本と米国はそれぞれ各種取り組みを進めていくことになるが、「日米共同の抑止力・対処力の強化」に関して、日本の国家防衛戦略は、「我が国の防衛戦略と米国の国防戦略は、あらゆるアプローチと手段を統合させて、力による一方的な現状変更を起こさせないことを最優先する点で軌を一にしている。これを踏まえ、即応性・抗たん性を強化し、相手にコストを強要し、我が国への侵攻を抑止する観点から、それぞれの役割・任務・能力に関する議論をより深化させ、日米共同の統合的な抑止力をより一層強化していく」としている。日米共同の抑止力・対処力を強化するための大きな取り組みの方向性として、日本は防衛予算の増額を通じて防衛力を抜本的に強化し、「地域の平和と安定の維持に積極的に関与する上での役割を拡大」する。米国は、「より多面的で、より強靭で、そしてより機動的な能力を前方に展開することで、日本を含むインド太平洋における戦力態勢を最適化」するほか、「核を含むあらゆる種類の米国の能力を用いた」拡大抑止を提供していく。

日米が地域の平和と安定を担保するための抑止力・対処力を構成する個別具体的な協力要素は多岐にわたるが、以下主なものをいくつか取り上げる。(核抑止は極めて重要であるが別稿に譲る。)

<作戦・運用構想と指揮・統制・情報>

まず日米は、「統合防空ミサイル防衛、対水上戦、対潜水艦戦、機雷戦、水陸両用作戦、空挺作戦、情報収集・警戒監視・偵察・ターゲティング(ISRT)、兵站及び輸送といった任務分野に焦点を当てるべき」という点で一致するとともに、「とりわけ陸、海、空、宇宙、サイバー、電磁波領域及びその他の領域を統合した領域横断的な能力の強化が死活的に重要」であることを2+2で確認した。日米双方において、宇宙・サイバーといった新たなドメインと陸・海・空の伝統的なドメインで作戦を遂行する部隊を統合的に運用し、領域横断作戦を効果的に遂行することが目指される。

日本の国家防衛戦略では、抜本的に強化された防衛力は、新しい戦い方に対応できるものでなくてはならないとの認識の下、「領域横断作戦、情報戦を含むハイブリッド戦、ミサイルに対する迎撃と反撃といった多様な任務を統合し、米国と共同して実施していく必要」(8頁)があるとしている。その上で、国家安全保障戦略、国家防衛戦略及び防衛力整備計画に示された方針、「さらにこれらと整合された統合的な運用構想により、我が国の防衛上必要な機能・能力を導き、その能力を陸上自衛隊・海上自衛隊・航空自衛隊のいずれが保有すべきかを決めていく」(8頁)とした。

全ドメインの部隊を統合運用するにあたっては、それを実効ならしめる<指揮・統制>の整備が不可欠となる。米国は、軍種間の指揮・統制(C2)の統合を進めていくための統合全領域指揮・統制(JADC2)なるC2アーキテクチャーを組み上げていると言われるが、日本も今般、「陸海空自衛隊の一元的な指揮を行い得る常設の統合司令部」を設置することを決めた(NDS・23頁)。米側は2+2で日本の決定を歓迎し、日米は「相互運用性と即応性を高めるため、同盟におけるより効果的な指揮・統制関係を検討することにコミットした。」統合運用の実現は主要国の軍隊で重要課題とされているので、米軍や自衛隊の統合運用も一筋縄ではいかないであろうが、統合を推進する機運が高まってきているのは間違いない。今後は、おそらくインド太平洋軍司令部と常設統合司令部との間で、効果的な連携の形が模索されていくことになる。

なお、同盟調整メカニズム(ACM:Alliance Coordination Mechanism)を中心とする日米間の調整機能の強化は、2+2共同発表でも、日本の国家防衛戦略でも謳われている。後者では、「同志国等との連携を強化するため、ACM等を活用し、運用面におけるより緊密な調整を実現する」(14頁)としていることから、オーストラリアなどとの連携も視野に入れているとみられる。

ISRTの分野では、日米共同情報分析組織を発足させ、平素からの情報共有を拡充している。日米の各種センサーからのデータを集約し、人工知能等を活用して処理・加工し、迅速な意思決定に結び付けていく取り組みが、意思決定本位の戦い(decision-centric warfare)において極めて重要な意味を持つことになる。その際には、ネットワークの防護のためのサイバーセキュリティの強化が不可欠となるが、2+2では、2022年3月の自衛隊サイバー防衛隊の新編を歓迎するとともに、「更に高度化・常続化するサイバー脅威に対抗するための協力を強化する」ことで一致した。日本の国家安全保障戦略では、能動的サイバー防御の導入が決定されており(21-22頁)、国内通信網のデータフローのモニタリングを通じたサイバー空間の状況把握能力を高め、政府・重要インフラ等のネットワークを防衛するために未然に攻撃者のサーバ等に侵入し無害化することは、日本のネットワーク防衛能力を高め、ひいては日米による共同作戦能力の向上にもつながる。

また、偵察監視・通信・測位等の重要な機能を果たす衛星システムが配備される宇宙についても、今般の2+2において、「宇宙への、宇宙からの又は宇宙における攻撃が、同盟の安全に対する明確な挑戦であると考え、一定の場合には、当該攻撃が、日米安全保障条約第5条の発動につながることがあり得ること」を確認し、宇宙空間における集団防衛にも踏み込んだ。衛星はターゲティングにおいて重要な機能を発揮するほか、特に低軌道衛星などは極超音速兵器の探知・追跡等の機能を果たし、民間の商業衛星も活用されていくため、集団防衛は極めて重要な意味を持つとみられる。

<能力>

様々な作戦・任務に対応するのに必要な<能力>は多岐にわたり、ここで網羅することはできないが、日米はそれぞれ所要の能力を維持・開発していくことになる。日本の国家防衛戦略では、(A)侵攻そのものを抑止するために、遠距離から侵攻戦力を阻止・排除するための能力として、<①スタンドオフ防衛能力>や<②統合防空ミサイル防衛能力>を、(B)万が一抑止が破られた場合に、領域を横断する形で優越を獲得し、非対称的な優勢を確保するための能力として、<③無人アセット防衛能力>、<④領域横断作戦能力>、<⑤指揮統制・情報関連機能>を、そして(C)迅速かつ粘り強く活動し続けて、相手方の侵攻意図を断念させるための能力として、<⑥機動展開能力・国民保護>、<⑦持続性・強靭性>を強化していく方針を打ち出している。米国の国家防衛戦略で示された統合抑止(integrated deterrence)なる概念には、拒否的抑止(deterrence by denial)と強靭性による抑止(deterrence by resilience)という要素が含まれているが、日本が抜本的に強化する7つの能力分野は、前述の通り、こうした米側の統合抑止の概念と適合するものとみることができよう。以下では反撃能力と防衛技術をめぐる日米協力に絞って取り上げる。

反撃能力をめぐる日米協力について、日本の国家防衛戦略において、「情報収集を含め、日米共同でその能力をより効果的に発揮する協力体制を構築する」とされており、この方針に沿って、2+2では、「米国との緊密な連携の下での日本の反撃能力の効果的な運用に向けて、日米間の協力を深化させることを決定」した2。反撃能力を運用するにあたっては、ISR、ターゲティング、戦闘被害評価(BDA)などが必要となるが、これら各分野で必要な日米協力の作業を特定して進めていくことになろう。重要なのは、日本が反撃能力を獲得することによって、米軍の作戦計画の立案や決定の一部に参与する余地を生み出し、一定の発言権を行使しうるような環境を作り出すということであろう。また、反撃能力のハードウェアの面で、日本政府は400発のトマホーク巡航ミサイルを米国から調達し、2026年に配備する予定となっており、これに関連する日米間の協力も進むものとみられる。

また、これからの能力を開発するための日米協力も進展している。無人システムに関しては、一方でドローン等の無力化に有効とされる高出力マイクロ波に関する共同研究が進められているほか、日本の次期戦闘機と連携する無人航空能力を「無人アセット防衛能力」の一環として実現すべく、2023年中に共同研究の可能性を含め具体的な協力を開始することになっている。また、極超音速技術に対抗するための技術についても日米は協力を進めようとしており、極超音速滑空兵器(HGV)のインターセプター(迎撃体)が必要とするより高い耐熱性素材技術に関する共同研究を開始するほか、HGVを迎撃する将来のインターセプターの共同開発の可能性についての議論も開始される。

<戦力態勢>

2+2共同発表で日米の閣僚は、「日本の南西諸島の防衛のためのものを含め、向上された運用構想及び強化された能力に基づいて同盟の戦力態勢を最適化する必要性を確認」し、「日本における米軍の前方態勢が、同盟の抑止力及び対処力を強化するため、強化された情報収集・警戒監視・偵察(ISR)能力、対艦能力及び輸送力を備えた、より多面的な能力を有し、より強靱性があり、そして、より機動的な戦力を配置することで向上されるべきであることを確認」した。ISRの能力・態勢については、米国が鹿屋航空基地にMQ-9無人航空機を展開するという形で態勢の強化が図られた。

対艦能力ということでは、第12海兵連隊が第12海兵沿岸連隊(MLR:Marine Littoral Regiment)へと改編される。MLRは、米海兵隊の新たな運用構想である機動展開前進基地作戦(EABO:Expeditionary Advanced Base Operations)を実践するものであり、対艦ミサイル部隊を含む沿岸戦闘チーム、対空ミサイルを運用する沿岸防空大隊、独立した持続的な活動を可能とする沿岸後方大隊からなる部隊で、有事発生前から分散展開して対艦ミサイル等で海上拒否作戦等に従事する。

また、南西諸島への輸送力の強化や自然災害発生時の対応能力の強化という観点から、米陸軍が13隻・280名から成る小型揚陸艇部隊を2023年春に、横浜ノース・ドックに新編することになっている。小型揚陸艇は、ヘリ・輸送機よりも大量の物資が輸送可能なほか、港湾が無い場所や港湾が破壊された場所でも接岸が可能という特殊な機能を有しており、陸上自衛隊も導入している最中である。

さらに、施設の共同使用ということでは、直近における動きとして、嘉手納弾薬庫地区内の火薬庫を新たに自衛隊が共同使用することとなり、具体的な調整が始まっている。このほか日本の国家安全保障戦略では、「民間施設等の自衛隊、米軍等の使用に関する関係者・団体との調整」(25頁)も進めるとされており、米軍部隊が日本国内で必要な民間施設・拠点にアクセスして円滑に活動しうる措置が講じられていくとみられる。

なお、米国はインド太平洋全域を見渡して最適な戦力態勢のあり方を絶えず検討しており、オーストラリアやフィリピンが展開先としての重要性を増している。特にフィリピンについては、2023年2月に米・フィリピン防衛協力強化協定(EDCA:Enhanced Defense Cooperation Agreement)に基づいて、米国は新たに4つのフィリピン軍基地へのアクセスを獲得している3。また日本は、国家安全保障戦略で、「同志国の安全保障上の能力・抑止力の向上を目的として、同志国に対して、装備品・物資の提供やインフラの整備等を行う、軍等が裨益者となる新たな協力の枠組み」を創設したが、2023年2月のマルコス・フィリピン大統領来日時に発出された日フィリピン共同声明では、同大統領がこの「新たな協力の枠組みを立ち上げるとの日本の意図を歓迎した」とあり、フィリピン軍が裨益するような軍用資機材等の供与先となる可能性が報じられている4。こうした日本による安全保障能力強化支援が、米国による戦力態勢の分散・強靭化に資するとすれば、相乗効果が生まれていくかもしれない。

日米の中長期的な役割分担

日本の抜本的な防衛力の強化は、まず自衛隊の即応性・強靭性を高めつつ進められる必要がある。国家防衛戦略が、「今後5年間の最優先課題は、現有装備品を最大限有効に活用するため、可動率向上や弾薬・燃料の確保、主要な防衛施設の強靭化への投資を加速するとともに、将来の中核となる能力を強化することである」(9頁)としているのは、まさにこうした認識を表している。

日本の国家安全保障戦略と国家防衛戦略では、防衛力の抜本的強化が、5年後(2027年)と10年後(2032年)という時間目標を定めて進められることが謳われている。すなわち、「5年後の2027年度までに、我が国への侵攻が生起する場合には、我が国が主たる責任をもって対処し、同盟国等の支援を受けつつ、これを阻止・排除できるように防衛力を強化する。さらに、概ね10年後までに、この防衛目標をより確実にするため更なる努力を行い、より早期かつ遠方で侵攻を阻止・排除できるように防衛力を強化する」(国家安全保障戦略19頁・国家防衛戦略9頁)とされている。これまで日本の防衛は一般に、米国が「矛」、日本が「盾」の役割を果たすとされてきたのは広く知られている通りであるが、今般の戦略では、日本が自国への侵攻に「主たる責任をもって対処」し、さらにこの防衛目標をより確実にすべく、「より早期かつ遠方で侵攻を阻止・排除」する基本方針が打ち出された。日本が自国防衛において主たる責任を果たし、やがて早期かつ遠方で侵攻を阻止・排除するということは、端的に言えば、日本が「盾」に加えて「矛」の役割も段階的に担い、日本防衛に必要な機能を揃えていくことを意味し、反撃能力5や能動的サイバー防御などが重要な意味を持つ。こうして日本が自国防衛のための能力を高めていけば、米国は台湾防衛により多くの戦力やリソースを割くことができるようになる。

つまり、日米の役割は、従来は日本防衛という限定的な文脈の中で、米国は「矛」で日本は「盾」という<機能>の分担が基本であったが、将来的には、やや端的に言えば、日本が日本防衛にあたり、米国は台湾防衛にあたるという<戦域>の分担へと移行し、日米が連携しながらそれぞれ主担当の戦域から中国に対処し、それをオーストラリアなどが後方から支援するような形になっていくことが考えられる(無論、米国が日本の防衛を一切担わなくなるなどということではない)。2+2共同発表にも、「日本はまた、自国の防衛を主体的に実施し、米国や他のパートナーとの協力の下、地域の平和と安定の維持に積極的に関与する上での役割を拡大するとの決意を再確認した」とあり、その究極的な含意は、日本が自国を防衛する能力を強化することによって、米国による一層効果的な台湾防衛を可能とし、さらに同志国等との多層的な連携も進めることによって、日米同盟が中国による台湾の武力統一を抑止する体制を実効化し強化することにあると言えよう。ただし、これは戦略文書に書かれたことが予算的な裏付けを伴って着実に実現していけばという条件が付いているのは言を俟たない。日米同盟を強化するための道筋が示された今、それがどこまで実現するかは、日米双方の政治が、国民の理解を得ながら所要の資源を動員できるか、また関係省庁と自衛隊が必要な事業や変革を然るべきペースで実現できるかどうかに懸かっている。

(以上)




1 インド太平洋安全保障担当国防次官補のイーライ・ラトナー氏は、2023年3月2日のハドソン研究所での講演会において、抑止力を構成する要素として、作戦構想(concept)、能力(capability)、戦力態勢(posture)の3つがあると考えていると述べた。"Building a More Resilient Indo-Pacific Security Architecture: A Conversation with DoD's Ely Ratner and Lindsey Ford," Hudson Institute, March 2, 2023 < https://www.hudson.org/events/building-more-resilient-indo-pacific-security-architecture-conversation-dods-ely-ratner> アクセス2023年3月24日。

2 統合抑止には、直接的・集団的コスト賦課(deterrence by direct and collective cost imposition)という第3の要素も含まれており、これは概念的には拒否的抑止に含まれるとの指摘もあるが、米国の戦略からみれば、日本の反撃能力などはこうした概念に含まれうるかもしれない。

3 U.S. Department of Defense, "Philippines, U.S. Announce Four New EDCA Sites," February 1, 2023 < https://www.defense.gov/News/Releases/Release/Article/3285566/philippines-us-announce-four-new-edca-sites/> アクセス2023年3月24日

4 「安保無償支援の新制度、フィリピンへ初適用 政府調整」『日本経済新聞』2023年2月9日。

5 反撃能力のセクションでは、「日米の基本的な役割分担は今後も変更はない」(国家防衛戦略10頁)とあるが、これは主に米国が「矛」の役割を、日本は「盾」の役割を果たすことを意味しており、日本が「矛」の役割を担わないことを意味するものではないと考えられる。また、日米2+2共同声明では、「日本が地域の平和と安定の維持に積極的に関与する上での役割を拡大するとの決意」が再確認されていることからも、地域全体における日米の役割分担の在り方は、ここで述べたように、中長期的には変化していくことが構想されていると考えられる。