CDAST

経済・技術安全保障ウェビナー・シリーズ(2022年2月2日)
第2回「戦略的競争時代の輸出管理」
スピーカー:髙山嘉顕 日本国際問題研究所軍縮・科学技術センター研究員

  • twitter
  • Facebook

実施報告

経済・技術安全保障の重要性の高まりを踏まえて、日本国際問題研究所軍縮・科学技術センター(以下、「当センター」)では「経済・技術安全保障ウェビナー・シリーズ」を開催しています。その第2回ウェビナーが2022年2月2日に開催され、当センターの髙山嘉顕研究員が「戦略的競争時代の輸出管理」と題し、経済安全保障における輸出管理の現状や課題について講演しました。

まず、髙山研究員は、それぞれの時代の国際情勢を踏まえた輸出管理の変遷を伝統的な輸出管理、国際の安全と平和のための輸出管理、そして戦略的競争時代の輸出管理として整理し、解説しました。その上で、現在の戦略的競争時代には技術力の優位維持・獲得のための輸出管理と「相互依存の武器化」のツールとしての輸出管理が併存していること、さらに最近では輸出管理の分野でも人権に焦点が集まっていることを指摘しました。また、それらに対するアメリカ政府による近年の取り組みや課題についても論じました。最後に、輸出管理をめぐる新たな動きとして、共通の価値を共有する少数国が既存のレジームを補完するプルリラテラルな措置(plurilateral measures)が検討されていることを報告しました。

講演を受けて行われたQ&Aセッションでは、当センターの戸崎洋史所長や参加者から新興技術の管理や経済安全保障に向けた国際協調のあり方、日本の政策などについて質問が寄せられ、活発な議論が交わされました。