イベント実施報告

第5回東京グローバル・ダイアログ

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2月29日

パート3:~ウクライナ、そして中東~紛争頻発時代の到来と国際安全保障・協力の行方(1)頻発する紛争:我々はウクライナ・中東・アジアの「三正面」とどう向き合うのか

本セッションでは、2024年における地政学的な主要課題、特にウクライナ、中東、インド太平洋という「三正面」への対応を中心に議論された。戦後の国際秩序を維持するためには、ウクライナの領土の一体性が極めて重要であることが強調された。また、権威主義国家間の協力が、これらの問題を相互に関連させ、対処をより複雑にしているといった指摘がされた。

また、複数の危機を同時に管理することで各国の政策立案者や資源に負担がかかっていることが明らかにされた。西側諸国、特に米国では、戦争支援に対する国内の疲弊が懸念事項として挙げられ、指導者が国民に利害関係を明確に説明することが重要であるという意見が取り上げられた。一方、ウクライナへの第二の軍事支援拠出国であるドイツでは紛争のエスカレーションへの不安があると指摘された。西側諸国は、ウクライナへの支援を連携して調整し、コミュニケーションを強化する必要があることが確認された。

中東については、紛争解決における地域大国の役割と、イスラエル・パレスチナ紛争の持続可能な解決の必要性が強調された。中東における中国の勢力拡大、米国の対中東政策におけるトラウマや、戦略的曖昧さに対する懸念が提起された。一方で、戦略的曖昧さに対する評価は論者によって異なった。議論の最後には、ルールに基づく国際秩序を世界的に維持するためには、明確なシグナリングが必要であり、信頼できる抑止力が必要であることが再度強調された。

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