イベント実施報告

第5回東京グローバル・ダイアログ

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2月29日

パート3:~ウクライナ、そして中東~紛争頻発時代の到来と国際安全保障・協力の行方(2)国際安全保障の協力と行方

第5回東京グローバル・ダイアログの締めくくりとなる「国際安全保障の協力と行方」では、今次ダイアログでの全ての議論を振り返り、どのような教訓を引き出せるかとの質問が投げかけられ、そこから、混迷を深める世界の中で日本が果たすべき役割、いかなるパートナーシップを構築すべきかについて熱を帯びた議論が展開された。

頻発する国際紛争に対する国連の機能不全が指摘される一方、米国が国内政治の分断の只中にありながらもグローバル・パワーとして果たす役割は大きいことが強調された。インド太平洋地域においては、二国間同盟に加えて近年見られる日米韓や日米豪印などのミニラテラルの枠組みによって米国の同地域へのコミットメントの継続と強化を確固たるものにするべきとの指摘があった。

さらに、日米間の強固な連携による米国の関与の維持に加えて、昨年のG7広島サミットや2019年のG20大阪サミットの成功を例に多国間協調やミニラテラルの枠組みに対する日本への高い期待が示されるとともに、日本とNATOの協力の深化への期待も寄せられた。

米国のグローバル・パワーとしての重要性が再確認される一方、トランプ候補が2024年大統領選に勝利した場合の国際社会への影響を懸念する声が高まっているが、行政府のみならず議会や司法も米国政治において重要な役割を果たしており、米国政治におけるチェック・アンド・バランスの機能を過小評価するべきではないとの指摘があり、米国の国際問題への関与について適切に検証、認識する重要性が共有された。

国際経済については、国際社会全体に保護主義的な動きが強くなっていることへの懸念が示され、経済安全保障とのバランスを図りながらも経済においてもミニラテラルやCPTPPやIPEFなどのマルチラテラルの枠組みが重要であることが強調された。

最後に、国際安全保障における人道上の問題や人間の尊厳に係る問題、人間の安全保障の考え方の重要性も指摘された。

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